2015年12月4日金曜日

謝辞に研究費情報を

PEPS宇宙惑星科学セクション編集長の倉本 圭です。

一年すこし前まで文科省の学術調査官を兼務していました。この職名には得も言われぬ響きがあるようで、肩書入りの名刺を渡し、相手の反応を見て楽しんでいる同僚もいたようです。といっても、仕事の大部分は、文科省が直轄する数少ない科研費種目である新学術領域研究の審査作業の補助、要すれば事務方側のサポートをするというものです。特に研究代表者に返す審査意見書、論文でいえばレビューコメントは、専門性に通じていないと書けません。ヒアリングや審議を傍聴し、委員の書いた(時に難読の)メモを参照して意見書の原案を作るのが、多くの学術分野から集まった調査官の仕事です。時々誤解のある点ですが、調査官自身が申請書の評価に加わることは全くありません。

さてこの職に就いてみると、科研費の制度改革を議論する委員会も傍聴するよう声がかかりました。公平性の担保、競争的資金と運営交付金のバランスのあり方、研究不正やモラル低下の問題、新しい学問や既存学問の新展開への対応など、さまざまな論点が議論される中で、重要な話題の一つになっていたのが科研費制度の有効性、つまり科研費は本当に研究の役にたっているのかというものでした。科研費はピアレビュー制により配分がなされているという点で、通常の予算とは性格が異なります。しかし国の財政事情が芳しくない中、すべての費目に縮減の圧力がかかっており、予算を守りたければその有効性をきちんと示すべしという宿題が、科研費にも課されているということです。

そこで委員会がとった方策が、全分野の近年の出版論文のなかで科研費と紐づけできるものを網羅的に調べあげるというものでした。その結果は、科研費の獲得と、論文出版数や高インパクト論文の割合などに、正の相関があるというもので、科研費の有用性が確認された形になりました。
この調査には当初、科研費の論文成果がどこまで追跡できるのか不安があったようです。成果報告書も重要な情報源ですが、補助期間を終えてから論文が出るまでの時間差を考慮すると、これだけでは把握漏れが多く生じてしまいます。もっとも有用な情報元は論文の謝辞であり、多くの論文に研究費情報の記載があったお陰で救われたとのことでした。

論文謝辞に研究費情報を付す意味は、その支給に感謝の意を表明することが第一です。実はこれが科研費に限らず研究費制度の保護にも一役買っており、論文の全文検索が容易になる中、その役割はますます高まるだろうということが言えます。論文出版の際には、それが仮に受給期間から間を置いたものであっても、研究費への謝辞を具体的に記載するよう、改めて呼び掛けさせていただく次第です。


PEPS 宇宙惑星科学セクション編集長 / 北海道大学大学院 理学院 宇宙理学専攻 倉本 圭

2015年11月17日火曜日

Dependency Indexにご用心!


PEPS編集委員の芳村圭と申します。専門は水文気候学や同位体地球化学になります。特に水の同位体を利用した水循環や古気候の解明を目指しています。

突然ですがみなさん、Dependency Index(扶養指数)という言葉をご存知でしょうか。知りませんよね。私が作った言葉です。まだ模索中ですが、


DI=主著論文数÷全論文数

という定義に落ち着きつつあります(派生指標としてDIH=H-Index(主著)/H-Index(全論文)などというのも考えられます)。要するに研究活動においていかに人に頼っているかを示す指数です。昨今、評価を受ける際に論文数だ、被引用件数だ、Impact Factorだ、H-Indexだといろいろとありますが、それらに共通するのは何かわかりますか?それは年齢とともに増加する、という性質を持つことです(Impact Factorは多少異質ですが、年数とともに有名雑誌に載る機会も増えます)。(自称)若手から言わせてもらうとそんなものは年を取った方々の既得権益を守るための産物です。年齢補正してくれないと全く意味がありません。「若いのにこの数字はすごいね」という評価になることもありますが、だったらちゃんと客観的で正確な年齢補正をすればよいのです。

その点DIは恐ろしいですよ。年齢とともにDIもだいたい下がります。活動が広がればどうしても共著論文が増えていくからです。学生が大勢いる大学教授なんて大変なことになります。かくいう私も2010年に東大に赴任してから減少傾向に歯止めがかかっていません(赴任前0.50→2015年11月現在0.18)。

DIをとある偉い先生に紹介してみたところ、「俺は(PDを)たくさん扶養している!」と怒られてしまいました。それはそれでごもっともですが、そういう業績は前述の指標で十分評価されるところだと思います。DIを下げないために活動を縮小するなどというのは本末転倒で、DIの本意ではありません。世の中に広まっているH-Indexなどの普通の指標を上げるために活動を広げつつ、自分で論文をがつがつ書いていた若かったころを思い出して、こっそりと自分への戒めとするための指標です。人に扶養してもらった(共著に加えてもらった)分、人の扶養(共著に加えてあげること)に貢献すべきと考えてもよいでしょう。「H-Indexが高いのにDIも高いなんてすごい!」というのが適切な目指すべき姿だと思います。

なお、そもそも自分の昨今の惨状を何とか打破するために考えたものなのですが、その意味ではまだあまり役に立っていません。私に会ったら「おい、DIどうなった」と聞いてくだされば、より励みになりますのでよろしくお願いします。

図:筆者の論文数(主著(青)とそれ以外(赤))とDI(実線)の推移。
PEPS 大気水圏科学セクション編集委員 /
東京大学 大気海洋研究所 
芳村 圭

2015年10月29日木曜日

PEPSの魅力

PEPS 大気水圏科学セクション編集委員の金谷 有剛(かなや ゆうごう)です。

PEPS(Progress in Earth and Planetary Science) は、日本地球惑星科学連合(JpGU)の公式ジャーナルとして2014年刊行されました。AGU、EGU、AOGSや出版社ジャーナルがあふれるなかで、なぜPEPSか?一編集委員として私が感じている本誌の魅力を挙げてみたいと思います。

まず1点目は、日本からの国際発信、国際的な科学フォーラムの場の提供です。ともすると欧米中心に回りかねない国際科学研究コミュニティの一角を担う場になります。日本やアジア発(に限りませんが)の論文を正当に取り扱っていけたらと思います。2点目は、分野間連携を推進する点です。JpGUには5セクション(宇宙惑星科学、大気水圏科学、地球人間圏科学、固体地球科学、地球生命科学)がありますが、それらを横断する新たな知見を含む研究論文をぜひお待ちしています。ジャーナル名末尾の単語がSciencesではなく単数形のScienceとなっているのは、「体系として統合されゆく1つのScience」を目指すところに由来しているとのことです。一方で、こうした分野間連携の源泉となるのは、それぞれの基礎科学の深い追究ではないでしょうか。個別分野の研究でも、深く掘り下げた論文、裾野や視点を広げるような論文も大いに取り上げる体制が整っていることが3点目の魅力です。

ぜひあなたの地球惑星科学研究の珠玉の一品(論文)を投稿してみませんか。現在は以下の特典も受けられます(2015年10月現在)。
・論文掲載料は200ユーロ(日本地球惑星科学連合会員)。大幅割引が受けられます。非会員は1000ユーロです。
・招待論文、総論(レビュー)、連合大会優秀発表として推薦を受けた論文については、JpGUが全額補助します。

 私の身近な大気化学の分野でいえば、気候変動やPM2.5問題など、社会・政策とのつながりが深い科学情報発信や、衛星観測や研究航海プロジェクトなどのとりまとめ、エアロゾルなど未知度の高い大気物理化学の基礎研究成果発表などにもご活用いただけたらと思っています。もちろんレビューだけでなく通常のResearch Articleも歓迎です。

苦しいことも多い研究活動のなかで、目先が開けるような論文に出会うことは大きな喜びの1つではないでしょうか。そうした論文を掲載していけるよう、編集委員として公正かつ全力で取り組んでいけたらと思います。
PEPS 大気水圏科学セクション編集委員 / 海洋研究開発機構 地球表層物質循環研究分野 金谷 有剛

2015年10月23日金曜日

査読者から見た日本人の論文英語,そして編集委員としての提案; English of Japanese authors viewed from a reviewer and a proposal from an editor

査読者から見た日本人の論文英語,そして編集委員としての提案

PEPS固体地球科学セクション編集委員の三ケ田 均(みかだ ひとし)です.

今回は,PEPSだけでなく海外の雑誌からの査読の経験を通じて得られた,日本人の英語論文草稿に対する印象および査読システムの現状についてお伝えしたいと思います。

最近の日本人の英語は,昔に比べ,随分読み易くなりました。今から20年ほど昔のことですが,とある海外の雑誌に投稿された日本人の論文査読を引き受けた際のことを思い出します。論文の内容というより,英語の修正を数回繰り返して採択に至るまで,長い時でおよそ2年をかけたことがありました。当時は若かったこともあり,著名な雑誌に日本人の論文をなんとか掲載まで面倒みようと意気に感じ,結構な時間をかけ修正を施しました。残念ながら査読者に対する謝辞を残していただけたことは少なく,査読者としてどこまで英語を修正すべきなのか考えてしまったことを思い出します。その際の英語に比べると,外部業者による修正が一般化したためでしょうか,何を言いたいのか分からない,という論文は少なくなりました。但し,プレゼンテーションに耳を傾けると,それほど昔より日本人の英語が良くなった印象は受けません。英語力が上昇したためというより,外部業者に修正を依頼する投稿者が増加したことを意味しているのかもしれません。

僕の研究室では,自分と助教の武川順一先生の二人が教員として勤務していますが,実は二人とも外部業者に修正や翻訳などの作業をお願いしたことは今まで一度もありません。研究室として決して数は多くありませんが,研究室の教員および学生の論文草稿の修正は,全て僕一人で行っています。研究費は1人でも多くの学生の海外学会派遣に充てたいという意図に加え,研究室全員に論文の文章は自分の言葉を使うように指導しているためでもあります。勿論,一回目の査読結果には「Poor English」と常に書かれるだけでなく,2〜3割という結構な頻度でリジェクトになります。それでも,やはり文章をどのように組み合わせ,査読者に科学的な意味合いを,自分の力で何とか伝えようと努力することは研究者の義務だと信じており,今後も業者を使うつもりはありません。少し荷が重いだろうと思うこともありますが,このような経験を通して,学生,助教の先生ともに,たとえ英語でも,自分で文章を組み立て,相手に自分の思いを伝えることの重要性を知ってもらいたいと考えています。

武川先生と僕に対する海外雑誌の査読依頼は,年間に結構な数に上ります。武川先生には,現在の査読システムを維持するため,よほどのことがない限り断らないこと,必ず丁寧に査読し良い点を汲み取ること,という二つの重要な点を伝えています。また,投稿者を混乱させる原因となる後出しジャンケン(同じ文章に対し,最初の査読でコメントしなかったことを2回目以降の査読で記載すること)をしないことも併せて伝えています。査読する側が,相応の気遣いのもとにその任を果たしていることを,是非この文章をご覧の読者にはお伝えしたいと思います。但し,やはり何を伝えたいか分からない,あるいは内容に問題のある草稿では,どうしてもリジェクトにせざるを得ない場合がありますが,可能な限りどこをどう直すべきかを伝えるよう配慮していることは言うまでもありません。自分の場合,年々単調増加するルーティン業務の合間を縫って行うこの査読には,やはり合計すると一編当たり平均で丸三日間ほどの労力を費やしています。

最近気づいたことですが,英語を母国語としない東アジアやヨーロッパの国々の著者は,リジェクトの後,2ヶ月程度で修正論文を再投稿することが多いようです。同じ雑誌であれば,例えリジェクトされても,同じ査読者に査読依頼がかかることが多く,結局何度リジェクトされても必ず掲載に至る粘り強さを見せるのがこの非英語圏の人たちです。ただし,リジェクトの度に,どこを修正すれば良いかがわかるので,最終的に何年かを費やして掲載に至ることも多いと思います。実際,自分の抱える査読の半数は,この再査読論文です。この非英語圏の著者の粘り強さは,是非日本の投稿者に見習って欲しいと思います。

現在の査読システムの維持が難しいと言われる理由の一つに,査読者の確保の難しさが挙げられています。実際に,僕のPEPSの編集委員としての経験では,必要な査読者の3倍の人数の方に打診をしなければなりません。この作業では,投稿システムから自動送信される例の「査読を希望しますか?」という内容の多少失礼なメールの前に,査読をお願いするかもしれない方に個人的に電子メールを差し上げ,査読受諾の可否をお尋ねしています。それでも,多くの方が「忙しい」ことを理由にお断りになる現状には,少々残念な気持ちを抱いています。僕の研究室の武川先生も,論文数の増加に伴い査読依頼数が急増し,今年は彼だけで10編前後の論文査読を行うでしょう。彼の査読数が,いずれ僕の抱える毎年の査読論文数に追いつくのも時間の問題でしょうし,またそれを願っています。査読依頼が入るのは,それだけ科学コミュニティからの信頼を得ることができている証でもあり,査読依頼を受けることは,実はそれだけ業界から認められたと考えるべきではないでしょうか。忙しいのは誰しも同じです。忙しさを理由に査読を断るのではなく,査読者が科学コミュニティを支えているという互助の精神を,再度思い出していただきたいと思います。PEPSのみならず,他の国際英文誌の論文についても,例え少ない休日を返上することになるとしても,少なくともご自身の投稿される論文数程度は,迷わず査読をお引き受けくださるようお願いしたいと思います。査読は責任を伴う大変な作業になりますが,この現在の査読システムの保持および業界の発展に一人でも多くの方のご理解およびご協力をいただければ幸です。



-----(English version)-----

English of Japanese authors viewed from a reviewer and a proposal from an editor

Professor Hitoshi Mikada, Graduate School of Engineering, Kyoto University

The English quality of paper manuscripts prepared by Japanese authors has become much better compared with those in the past. I remember about 20 years ago, when I was asked to be a peer reviewer of a manuscript prepared by Japanese authors submitted to a well-known international journal. Approximately 2 years were taken to get the manuscript published after several times of the judgment to suggest the authors a major revision. In the review of the manuscript, I repeatedly asked for English corrections rather than the scientific contents. I was young at that moment, and felt a little patriotic to give the Japanese authors a chance to have their paper published. Finally, they did not state any acknowledgement to the reviewers and I started thinking what extent reviewers should cover to in the review. These days, I feel the English quality of manuscripts of Japanese authors has been greatly improved. Since there seems no difference in the oral presentations of Japanese authors when I listen to compared with those in the past, the raise in the English quality of manuscripts could be brought by translation agencies many Japanese authors started subcontracting the correction of their manuscript to.

In my laboratory, faculty members, Prof. Junichi Takekawa and myself, have never used translation agencies in the past. It is true that the number of published papers is not so many and I try to correct all manuscripts prepared by laboratory members, i.e., faculty members and students. Since I would like to spend the majority of our budget to send our students to oversea academic society meetings rather than to subcontract the correction of English manuscripts to translation agencies. Of course, any first reviews to our manuscripts say "Poor English," and the probability of manuscript rejections could be 20-30%. Probably the policy of no subcontract to translation agencies would be kept since I believe that it is authors' responsibility to make an effort to combine sentences in order to bring scientific implication to peer reviewers and readers using the authors’ words. It may be a burden for students to prepare their manuscript in English, but I would like them to know the importance of constructing an English manuscript from a sentence through paragraphs through such experiences.

The number of requests to peer-review manuscripts comes to my laboratory every year could be double-digits. The faculty members in the laboratory discuss the present peer view system should be maintained, any review should be completed carefully to pick up the advantages in the manuscripts under review. When the review becomes plural times to a single manuscript, we think it is necessary not to give any new additional comments to the same sentence that has been left uncommented in the reviews of previous time(s). I'd like to tell any researchers to submit their manuscript that the reviewers are conducting their duties under considerable and suitable attention. However, it may happen to judge the rejection when we could not read what the authors want to bring through their manuscript or when there could have some scientifically controversial issues in the manuscript. Even in the case of rejection, editors and reviewers would try to bring back any key issues that may help improving the quality of the manuscript. In my case, the total time spent to review a manuscript could become about 3 days in average after summing up fragmented times buried in routine work that increases monotonically year by year these days. 

I noticed quite recently that the author in East Asia and non-English native European countries often try to submit modified manuscript in about a couple of months after the rejection of the previous manuscript. They are persevering to repeat the submission after plural times of rejections until their papers have been accepted. When they submit the modified one to the same journal theirs were rejected, the same peer reviewers tend to be picked up to review the modified. As described in the above, even at the rejection, they acquire suggestions to modify their manuscripts so that further submissions could become possible. The whole procedure may cost years for both the authors and the reviewers, but I would like to suggest Japanese researchers to become persevering as these non-English native authors not to be deflated by the rejection but to be positive in the future submission by all means.

Recently, people are talking about the difficulty to maintain the current peer-review system to publish scientific papers due to various causes. One of the causes is the difficulty to find reviewers in the circumstances of submitted papers that are almost monotonically increasing in numbers. Actually as an editor of PEPS, I have to ask a triple number of people to the necessary number of possible reviewers, i.e., about two third of people we nominate tends to refuse to become a peer-reviewer. Before a little impolite mail is automatically sent to each reviewer to ask if the recipient wishes to review a paper, I always get the person personally in touch with to ask if he/she could have to time to review a paper. I regret that many nominees refuse to be a reviewer with the reason of busyness. The number of request to become a peer-reviewer comes into Professor Takekawa is now increasing as the number of his publications. He would review around 10 manuscripts this year and I greatly wish that the number of his reviews surpasses mine in near future. The reason you are asked to become a peer-reviewer is nothing but a fact that you won the confidence in the science community. Everyone is busy in the community, and I think that the busyness may not be an appropriate reason to decline the request of peer-review. I would like to ask you to think in the following way when you are requested to review a paper: the science community is supported by the volunteerism of scientists and engineers and the peer-reviewing is nothing more or less than a way to contribute to maintain the volunteerism. I would like to ask you to accept reviewing manuscripts at least as many as you submit yours to PEPS or many other international journals even if you need to to spend some holidays or weekends just to peer-review those manuscripts. Peer-reviewing is really a tough work with a burden of responsibility, but you should remind that the science community is not concrete enough to stand by itself but requires your support and contribution that includes your acceptance to become a peer-reviewer.

Dr. Hitoshi Mikada, Editor of Solid earth sciences section,
Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University


2015年10月2日金曜日

人間のいない地球

PEPS地球人間圏科学セクション編集長の松本 淳です.

今年の中秋の名月は天気が良かった地域が多く,お月見を楽しまれた人も多かったと思います.日本には古来,「月にウサギ」の伝説がありました.また地球にもっとも近い環境にある惑星に「火星人」を想像してきました.これらの話が宇宙惑星科学へ興味をもつきっかけになった人もいるのではないでしょうか? 生命が誕生しうる環境を持った星の存在も語られているものの,生命が確実に宿っている星は,今のところ地球のみです.その生命誕生のドラマの最終章に登場した人類は,こうして書いている文章を瞬時に世界中に届けることも可能にし,自然界に元来存在しなかったさまざまな物質を考案,すさまじい勢いで,他の動植物の生息域を奪ってきました.今世紀末には100億人に達するといわれる地球の人口爆発はしかし,わずか200年ほど前から加速的に生じてきた,地球の歴史からみれば,ほんの一瞬の出来事にしかすぎません.

この人類が,地球の環境を大きく改変していることが,前世紀の後半から強く意識されるようになりました.「地球環境問題」の深刻化です.「地球温暖化」は,私の学生時代から指摘されていました.しかし,当時寒冷化していた地球の気温や氷河の前進傾向などから,温暖化に懐疑的な研究者が多く,18世紀以前の「小氷期」が再来することが真剣に恐れられていました.1980年代以降の地球気温の急激な上昇により,事態は激変し,今や数十年後の気候も予測できるようになりました.予測の正しさは私の次の世代で実証されることでしょう.

皮肉にも1960~70年代頃の寒冷化は,人間活動による「大気汚染」の結果と考えられています.私が学んでいる「気候学」の世界では,つい最近まで大気汚染は,局地的な気候学の問題でした.広域的な輸送も知られていましたが,東京湾から中部山岳域への輸送に,局地循環の大切さを知ったくらいでした.局地的な大気汚染は,さまざまな公害問題を生み,多くの紆余曲折を持ちながら,基本的には汚染の規制と,それを実現可能にする防止技術の確立により,ある程度の改善は実現しました.日本でのこの教訓はしかし,残念ながらその後の発展途上国ではあまり活かされることなく各地で深刻化し,さらには全球的な気候にも影響を与えています.

科学的知見が世界を変えたもっとも顕著な事例は,オゾン層の破壊防止のためのフロンの使用禁止でしょう.残念ながら地球温暖化も,大気汚染も,議論はされていても,フロンほど強い政策決定には至っていません.しかし,科学はより良い地球を実現するための重要な指針を与えます.人間活動を抜きにした地球は,もはや少なくとも地球の表層部には存在しえません.我々は,未来のより良い地球環境をいかにして実現していくことができるのか? そのような判断のよりどころになるような研究が,PEPSの地球人間圏科学の論文として,次々と載るような時代を夢見ています.人間のいない地球はありません.どうか人間臭い論文をPEPSにどんどん投稿してください.


PEPS 地球人間圏科学セクション編集長 / 首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 松本

2015年9月16日水曜日

学会誌の逆襲

PEPS横断的分野セクション編集長 多田 隆治です。

昔話で恐縮ですが、私が学生の頃は、博士論文は一生に一度のもので、その人の能力や研究姿勢が表れるものだから、全身全霊を傾けて悔いの無いものを執筆せよと教わりました。満足がいかないと自ら提出を遅らせるのが当たり前といった風潮もありました。地質学の様なフィールドサイエンスの分野では、論文公表の際には、スケッチや写真などオリジナルデータをふんだんに載せてくれる学会誌や紀要にFull paperとして投稿するのが普通でした。

時は経ち、研究の国際化が進み、研究費における競争的資金の比率増大や研究職の公募化が進むに連れ、研究業績の比較•評価の必要性が増し、評価の客観化、効率化の一助として、citationやimpact factorなど業績の数値化指標が導入され、それが一気に広まりました。一部の商業誌はそれを利用して市場を席巻し、論文の粗製乱造、質とモラルの低下、そして図書費の増加に拍車をかけました。

人間とは愚かなもので、楽で便利な物があれば、それが持つ問題点や適用限界も忘れてそれに頼ってしまいます。もっとたちが悪いのは、それを知っていながら都合が良ければ使ってしまう人が出てくることです。その結果、職を得たい院生や若手ポスドクの間で、論文数を稼ぐこと、citationを上げる事が目的化し、それを容認する雰囲気が蔓延しているように思います。博士論文を細切れにし、閲覧率の高いレター誌に小出しにするのが当たり前のような今日この頃です。それどころか、相互に余り関係のないレター誌論文を3〜4本束ねて、それを博士論文として認めよ、という指導教員まで出てくる有り様です。自分の興味を徹底的に追及し、それを極める唯一の機会が失われつつあります。

STAP細胞論文をめぐる事件以来、こうした風潮に歯止めをかける動きが、やっとほんの少しですが出て来たようです。その一つが、科研費での研究成果をopen access journal に出すよう義務付ける動きです。また、剽窃や二重投稿と言った反道徳的行為への取り締まりや、研究者への研究倫理教育も急速に強化されつつあります。

地球惑星科学分野では、EGU (European Geosciences Union) が早くから学会誌のopen access化を推進し、幾つかの学会はこれに追従しました。学会誌は、その分野の基礎知識や技術の継承に力を入れている場合が多く、基礎的研究の重視、研究の質の維持、厳密さの追求と言う点では、商業誌より遥かに優れており、良心的でもあります。ですが、投稿から出版までのスピードや雑誌の認知度という点で、商業誌に水を開けられていました。しかし、一部の出版社による学会誌の電子ジャーナル化のサポートや、それに伴うWeb上での編集システム導入により、出版までのスピードの問題は解決しつつあり、AGU (American Geophysical Union) やEGUなどのメジャーな学会誌では、知名度も商業誌に引けを取っていません。学会誌の逆襲です。

PEPSは、こうした科学誌の在り方への社会からの要請や学会誌への期待を先読みして企画、発刊されたものです。私は、アジアの地球惑星科学コミュニティーの育成、発展のために、真の意味で国際的と言えるopen accessの学会誌を作るという趣旨に賛同し、セクション編集長の末席に加えて頂きました。総編集長はもちろん、各セクション編集長、そしてそれをサポートする事務局の熱意や知識は相当なもので、刺激を受けたり、教わったりすることばかりです。出された成果が正当に評価され、かつ地球惑星科学本来の面白さが味わえるような味のある雑誌作りが出来たらと願っています。

PEPS横断的分野セクション編集長 /  東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 多田 隆治

2015年8月31日月曜日

進化し続けるPEPS

今年の4月よりPEPS固体地球科学セクション編集長を務めております吉岡 祥一です。
宜しくお願いします。

今年の1月、神戸で阪神・淡路大震災20年企画シンポジウムのお手伝いをさせて頂いていた折、学会を代表してシンポジウムにお越し頂いていた日本地震学会会長で、PEPSの編集委員でもある、加藤 照之氏から今回のお話を頂き、東大地震研究所の所長になられた同セクション編集長の小原 一成氏の後任を務めさせて頂いています。投稿された論文を適切なハンドリング・エディターに割り当て、査読プロセス及び結果のチェックを行うことや、定期的に開催される編集長会議への参加が主な仕事です。まだまだわからないことも多く、手探りの状態ですが、微力ながら尽力していきたいと思います。

PEPSは、よりよい国際誌を目指してソフト・ハード両面から日々進化しつつあります。今日は最近の取り組みの一端を紹介したいと思います。

PEPSでは、編集長会議で、日本学術会議が今年3月に公表した「回答 科学研究における健全性の向上について」を踏まえて、オーサーシップと二重投稿について議論しています。オーサーシップとは、どのような要件を満たしている研究者が著者になりうるか、ということです。オーサーシップについては、今後、本回答を踏まえて議論し、対応していく予定です。また、二重投稿とは、既に出版された、または他の学術誌に投稿中の論文と本質的に同一の内容の原稿を投稿する行為のことです。PEPSでは、二重投稿に加えて、剽窃、捏造など、不正論文が投稿された場合、どのように対処するかについて、編集長ならびに編集委員の間で議論し、ガイドラインを定めました。
剽窃に関しては、iThenticateというソフトを使って、既に出版された論文やweb上の文章と照合することで、不正の発見を容易にしています。最近、このソフトが論文の投稿・査読プロセスをweb上で行うシステムに組み込まれ、総編集長・セクション編集長のみならず、すべての編集委員が利用できるようになりました。

出版社であるSpringerの制作部門も出版の迅速化に努めており、先日、出版された論文では、正式受理から出版までの日数が12日と、過去最短を記録しました。また、最近、私が扱った論文では、その論文の質の高さに加え、ハンドリング・エディター及び査読者の迅速な対応と協力により、論文の投稿から暫定受理までの日数が33日と驚異的な数字を記録しました。

このように、PEPSは時代に即した一流の国際誌を目指して日々進化を遂げつつあります。しかしながら、PEPSが成熟した国際誌となるためには、原稿の投稿や査読の受諾を含め、皆様からのご支援が欠かせません。今後とも、ぜひとも温かいご支援を賜りますよう、宜しくお願いします。

PEPS 固体地球科学セクション編集長 / 神戸大学 都市安全研究センター 吉岡 祥一



2015年8月19日水曜日

PEPSの命運を握る査読者(レフェリー)

PEPS宇宙惑星科学セクション編集委員の長妻 努です。

私はPEPSで初めて論文誌(ジャーナル)の編集に携わりました。PEPSが良いジャーナルとなるよう、微力ながら頑張っています。
これまで、各セクション編集長や外国の編集委員の方々の格調高いブログが続きましたので、ここらで少し「箸休め」ということで、新米の私に白羽の矢が立ちました(笑)。軽い気持ちでお読み頂けると幸いです。

新米編集委員の私が、この仕事で頭を悩ませているのは、投稿論文の査読者(レフェリー)の選定です。論文の内容に目を通し、誰にレフェリーをお願いするのが良いかを考えます。自分の専門分野ど真ん中であれば、「この論文はAさんとBさんにお願いしよう!」と比較的スムーズに判断ができるのですが、自分の専門から少し離れている場合は、投稿論文の分野の研究者をネットで検索・確認しなくてはなりません。Mysen先生も書いておられますが、2名アサインする場合に、それぞれがなるべく違う世代、バックグラウンドの方にお願いするように心がけることも大切です。
レフェリーを依頼する電子メールを送るときは、祈るような気持ちです。でも、すぐに決まらないことが良くあります。「忙しいので、無理です。」、「自分よりもCさん、Dさんが良いですよ。」と返事があれば、断られても次に進めます。時々、一切の返事を頂けない場合もあります。その時は、心が折れそうになります。一からやりなおしです。
また、稀ではありますが、レフェリーを引き受けた方から何の連絡も無いまま、締切りを過ぎても審査レポートを戻してもらえない場合もあります。現在忙しい中、頑張って査読してくれているのではないか?と思うと、締切りを過ぎたからと言ってすぐにお断りしてしまうのも良く無いのでは?と思う半面、ずっとレポートが来るのを待ち続けてしまうと、審査結果を心待ちにしている論文の著者に対して申し訳ないのでは?とも思って悩みます。

投稿論文の査読は、ジャーナルの品質・価値を大きく左右する要素の一つだと思います。査読を通じてその論文の価値を適切に判断し、著者に対して改訂の助言や、編集委員会に対して採択の可否について助言を与えて頂けると、ジャーナルの品質の維持に大きく貢献します。また、査読がスムーズに行われれば、原稿受理から出版までを作業を無駄なく進めることができ、一刻も早く自分の研究成果を世に示したい論文著者のニーズに応えることができます。
一方で、査読は研究者コミュニティの完全なボランティアです(編集委員も、ですが。)。PEPSでは、1編の投稿論文に対して、通常2名のレフェリーで審査するようにしています。PEPSは創刊1年の今年4月までに約100編の論文を受け付けましたから、既に200名を超える方にレフェリーをお願いしたことになります。この作業に協力して下さっている研究者の方々には、本当に頭が下がる思いです。

国際誌で長年にわたりエディターを務められた上出洋介JpGUフェローは、著書『国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた』の中で、論文の査読に関して「同時に五つくらいの論文のレフェリーまでは、引き受けていただけないものでしょうか?」ということを書いておられます。この文章を初めて読んだ時、同時に五つもの論文を査読するのは、他に何も仕事を抱えていなくても、大変な労力ではないかと思いましたが、編集委員の立場で考えてみると、これくらいの心構えで研究者がスムーズに査読を引き受けてくれると大変素晴らしいとも思いました。

というわけで、本ブログを読んでいる研究者の皆さん、PEPS編集部から査読の依頼がありましたら、依頼を断らずに喜んで引き受けてくださいね(笑)。どうぞよろしくお願い致します!


PEPS宇宙惑星科学セクション編集委員 / 情報通信研究機構 電磁波計測研究所 長妻 努

2015年8月11日火曜日

PEPSの日本語空間


PEPS宇宙惑星科学セクション編集長の倉本 圭です。

公用携帯に一本の電話が入り、「倉本さん、今後JpGUPEPSが刊行されるのは知っているね。ついてはセクション編集長を引き受けて欲しいのだけど」。私はこれでPEPSの編集に携わることになりました。PEPSは欧文誌です。そこで日本語空間というのはすこし脇道的かもしれませんが、ここで宣伝をさせてもらいたいと思いました。

PEPSの編集部では、このブログやfacebookなどを通じてPEPSの最新情報が日本語でも気軽に手に入るように、工夫を凝らしています。特に私がお勧めなのはPEPSホームページにある日本語ハイライトです。こういうサービスは一部欧文誌にも存在していますが、PEPSのような地球惑星科学総合誌では、他にないと思われます。英語ではよく読まないと頭に入らない隣の分野の研究も、日本語ならばパッと理解できる。PEPSのように質にこだわって編集し、分野横断的に論文が掲載されている雑誌では、隣の分野の研究が即時に把握ができ、たいへん効果的です。

非日本語圏の著者の場合、実はこの日本語ハイライトの訳出・執筆はボランティア的に行っています。私も人にお願いするだけではと思い、一件ですが担当させてもらいました。多少の時間を食いますが、この作業からも当該分野のことが把握できます。PEPS日本語ハイライトは、こうして皆さんに少しずつお手伝いいただくことで成り立っています。

地球惑星科学の入口に立っている人がいた時に、PEPSの日本語ハイライトから、地球惑星科学の最新の全容を掴んでもらう、そんな風になったら理想と思います。皆様の投稿とハイライト作成へのご協力をお願いします。

PEPS 宇宙惑星科学セクション編集長 / 北海道大学大学院 理学院 宇宙理学専攻 倉本 圭 

2015年7月15日水曜日

忙しい毎日にPEPSを!!

PEPS地球生命科学セクション編集長の川幡穂高です。

「Progress in Earth and Planetary Science(PEPS)」は,日本地球惑星科学連合(JpGU)が2014年4月に出版を開始した「オープン・アクセス電子ジャーナル(Open Access e-journal)」です!!
ジャーナルの構成は,総論(レビュー),優秀論文(連合大会の発表の中からセッション長が推薦し,投稿可),一般投稿などですが,「地球惑星科学をリードする雑誌」を目指しています.この記事では,「忙しい毎日にPEPSを!!」と題し,高いIF(Impact Factor)と総論(レビュー)の重要性についてお話したいと思います. 

皆様は毎日忙しく暮らされていることと思います.そこで,1年間に読める論文数には自ずと限界があることが容易に想像できます.ある統計によると,その数は年間200本程度と報告されています.「制約のある暮らしの中で有益な情報を得たい」,高いIFを持つ雑誌が重宝される理由がここにあります.
IFとは,ある雑誌の発行論文がどの位引用されたのかを示す数字で,この値が大きいほど掲載された一つの論文あたりの引用率が高いということになります.例えば,2015年(1~12月)と2016年(1~12月)の出版された論文について,総引用数を出版された総論文数で除したものが,2017年のIFとなります.ただし,IFはもともと雑誌の影響力を判断するために導入されたものであり,IFが高い雑誌に掲載された論文だからといって,すべての論文の引用率が高いわけではないので,注意が必要です.

PEPSは総論(レビュー)を重要視しています.これまでにPEPSで出版した論文のおよそ3分の1が総論で,いずれも多くの研究者からアクセスされています.総論では,
・地球惑星科学の知識・理論・概念などを整理し,新たな研究の鉱脈の提示,
・個々の論文だけでは理解しにくい,あるテーマの全体像の提示,
・「BOOK」から得られる情報より最新の体系的な知識の提供
が大切な項目です.質の高い総論では,数十から100以上の論文のエッセンスが系統的に説明されているので,1本の総論を読む事で,広範囲に最新の知識や考え方を得ることができます.すなわち,「忙しい毎日にPEPSを!!」ということになります.

2016年までは,総論(レビュー)については,無料で投稿いただけます.掲載された総論(レビュー)は,PEPSの日本語ハイライトページやfacebookTwitterを通じて積極的に紹介していますので,大学のゼミなどでも広く活用していただければと思います.


PEPS 地球生命科学セクション編集長 / 東京大学 大気海洋研究所 川幡 穂高

2015年6月29日月曜日

The publication process – perspectives of an editor

Bjørn O. Mysen

The principal permanent record of our work as scientists is publication in a peer-reviewed professional journal. Editors facilitate the publication process that builds this record.

Here, I will offer a few thoughts and observations from my own experience as an editor by describing the normal process and role of the participants. I also will show examples of what may not be uncommon, but is not acceptable.

Authors and authorship
Each and every author is responsible for the content of a manuscript. Most academic institutions and journals have rules that govern authorship. For example, the following excerpt from the guidelines of authorship of the Medical School of Harvard University states that
"Everyone who is listed as an author should have made a substantial, direct, intellectual contribution to the work. For example (in the case of a research report) they should have contributed to the conception, design, analysis and/or interpretation of data. Honorary or guest authorship is not acceptable. Acquisition of funding and provision of technical services, patients, or materials, while they may be essential to the work, are not in themselves sufficient contributions to justify authorship.(Source: Authorship Guidelines of the Medical School of Harvard University)

Similar rules can be found for most academic institutions.

These rules, however, frequently are ignored. In my experience, one of the most glaringly inappropriate attempts at gaining undeserved authorship was a very senior person demanding co-authorship of paper because as he put it “…I am interested in the topic”. Other cases of ghost authorship include authorship because the researchers used facilities of somebody not associated with the project. There are also times when individuals who have done reading and editing of manuscripts prior to submission demand authorship. There are also cases where the senior researcher wants manuscript text changed because it disagrees with earlier papers published with his or her name in the author list and use seniority or membership in professional organizations as justification. I have witnessed such incidents first hand. This behavior is unacceptable, but it happens.

As editors, we expect the authors to have done the very best they can with a manuscript before its submission. Unfortunately, this is not always so. Authors sometimes submit manuscripts to a journal with the comment that they will clean it up after reviews. Also, in papers with multiple authors where an early-career researcher is senior author and with more senior scientists as coauthors, it is important that those latter authors provide of their time and knowledge to ensure that a manuscript is ready for submission before this actually takes place. Sometimes they do not. Both cases show lack of respect for the journal, its reviewers, and its editorial staff. It also increases the possibility of rejection.

The submission process, authors, and peer review
In the submission process, the first editorial step is to determine whether the manuscript’s topic is suitable for the journal’s objectives. For example, some years ago as an editor of an earth and planetary science journal I received a manuscript dealing with properties of glass used for computer and television monitors. The topic was unsuitable for the journal and as an editor I made that decision without further review. That case was simple. Other cases can be less clear. A recent such example was a manuscript submitted to an earth science-centric journal describing the equation-of-state of NaCl. At first glance, the high-pressure behavior of crystalline NaCl might not seem important or relevant for our understanding of the Earth’s interior and, therefore, might be unsuitable for the particular journal. However, the NaCl equation-of-state is important for calibration of high-pressure/-temperature equipment used to examine physics and chemistry of deep earth materials. This makes the manuscript on NaCl suitable. The manuscript was accepted.

The editor’s main role is as manager of and judge during the review process. The editor will choose reviewers whose interests and expertise cover the specific technical aspects of an article as well broader implications. We also try to find reviewers from different age groups and cultural backgrounds in order to reach balance.

The peer review process is also the most difficult and time consuming step of the publication process and often governs the total time from manuscript submission to publication. It is also where the authors and reviewers can be very helpful in reducing this time.  In order to keep that time to a minimum, potential reviewers are asked to respond to a request or invitation within a small number of days (a week or less is typical) followed by a fixed time within which a review is expected to be finished (typically three or four weeks). In situations where reviewer comments differ significantly, the editor may choose an additional review over the number commonly used. That step also adds time to the review process. When all reviews are in, the editor has perhaps a week to assess the reviews and return those to the authors together with his or her own comments. There also are times when an editor may choose a different manuscript disposition than that which may be recommended by the reviewers.

Occasionally we offer suggestions to the authors in order to improve and clarify the presentation. Sometimes we help with language problems, in particular if the journal’s language (usually English) differs from the author’s first language. We are quite sensitive to this issue so as not to place any author at a disadvantage. Occasionally, I may return a manuscript to authors before review requesting the authors to look for language assistance before proceeding with the submission. This can be helpful for all involved, including reviewers who may not want to spend the extra time to interpret descriptions that may not be clear.

Remember that, in principle, results of peer reviews are advisory. The decision of how to proceed, or not, lies with the editor. Most journals provide the opportunity for rebuttal. Short, succinct, objective, and well-reasoned rebuttals can be very helpful as the next step of the process is decided. Long-winded or personal attacks by authors or reviewers during rebuttal are not helpful and can also be counterproductive. The worst example that I have had as an editor was a suggestion by a very senior and well-known professor who got in trouble with the comments from one of the reviewers that I, the editor, must have a relationship with the reviewer! You can safely assume that this comment did not have a positive impact on the outcome.

A second round of revision is quite common. That happens more than 50% of the time. Additional reviews after the first round less common. An editor may choose this venue only if he/she cannot make a decision on an issue raised by reviewers and discussed without success with the authors.
The worst-case scenario is rejection. A rejection can happen at any stage of the process.  Examples of late rejections are those where authors refuse to make changes or corrections required by the editor. This has happened to me as an editor and I know others also have had this experience. However, authors sometimes seem to believe that an editor’s decision for rejection is open to argument between the author(s) and the editor. Much time can be spent. Little is gained because editors extremely rarely will change their decision.

A few journals do not offer authors the opportunity of rebuttal or discussion of reviewer comments. The reasons for this policy are not clear. It may increase the speed of publication, but it is unhelpful for the authors and unhelpful for the science objectives. Such a review process also can lead to articles being rejected for reasons other than scientific quality. This mechanism also encourages establishment of cliques whose members look after one another through the reviews. Sadly, some of these journals have very high impact factors, which can be a consideration during and author’s job placement or promotion. This situation is unhelpful for both the scientists/authors and their chosen field of scientific pursuit.

The peer review process with discussion and clarification among authors and editors is the best we got. We cannot do our job as editors properly without your cooperation, understanding and generously volunteering your time as authors and reviewers. The process cannot function it.


Dr. Bjørn O. Mysen, Editor of Solid earth sciences Section
Geophysical Laboratory, Carnegie Institution of Washington,USA



2015年6月24日水曜日

Some Thoughts on Review Articles



Kevin Hamilton 

PEPS was conceived as a journal that would feature both high-quality primary research articles and review articles (Tsuda, 2014).  Currently the goal for PEPS is to publish about 30% review articles, and submission of review articles is encouraged by a generous policy of waiving the article processing charges.  As of today (June 23, 2015) the PEPS web site lists 39 total articles published of which 13 are identified as review articles, so we have been close to matching the 30% target.

This mix of primary research and review articles will distinguish PEPS from almost all of the other important journals in earth sciences.  The current earth science publishing “ecosystem” includes mainly either outlets just for review articles (notably AGU’s Reviews of Geophysics and the Annual Reviews of Earth and Planetary Science), or journals that in some cases will accept review articles, but in practice publish almost nothing but primary research articles.  There are some high profile journals, notably Science and Nature, that invite a significant number of critical review articles to go along with the many primary research papers they publish, but these are rather specialized articles which are notable both for their narrow focus on one critical issue and their brevity (typically capped at a just a few pages).  By contrast, PEPS encourages a range of review articles from brief critical reviews to longer, more comprehensive reviews of recent research in particular areas.  

Given the prominence anticipated for review articles in PEPS I present here a little history and a few thoughts that may provide some context and inspiration for potential contributors. 

The modern scientific journal was born with the initial publication of the Philosophical Transactions of the Royal Society of London in 1665.  This was developed for the membership of the Royal Society but was a personal project of its Secretary, Henry Oldenburg, and was initially set up “at his own financial risk and profit” (UKPA, 2004).  Oldenburg’s conception of a regular dated serial publication presenting individual papers by various authors had the key advantage of documenting priority and credit for discoveries (UKPA, 2004).  Oldenburg also originated another key feature of the modern scientific journal: “the Philosophical Transactions from its outset did not publish all the material it received; the Council of the Society reviewed the contributions Oldenburg received before approving a selection of them for publication. Albeit primitive, this is the first recorded instance of peer review".

The success of the Royal Society’s efforts helped spawn imitators throughout Europe although few of the early journals had much lasting impact.  According to Porter (1964) “today's characteristic form of the scientific paper appeared about 1780-1790, with the publication of specialized journals in physics, chemistry, biology, agriculture, and medicine”. Porter (1964) reports that by 1830 over 300 scientific journals were being published.  This was near the beginning of a period now exceeding two centuries of revolutionary growth in scientific research activity and scientific publishing.

With the growth of published knowledge the difficulty for individual investigators to assimilate the huge volume of recently published work became apparent.  One of the first responses was the compilation of periodical scientific indexes that would collect (or even prepare) abstracts of recently published papers.  Porter (1964) finds that, after some earlier false starts, many abstracting services began operations starting around 1830.  Beyond this kind of aid the need for more sophisticated summaries and critical reviews of the primary literature must have been felt by many scientists.  Publication of papers resulting from special Annual Lectures and the Presidential Lectures of some scientific societies provided one outlet for more leisurely reviews of the state of a field than is typical for primary research articles, but relatively few “review” papers seem to have been published in the 19th century or early 20th century.

The middle decades of the 20th century saw the development of specialized publications just for reviews and the emergence of the modern form of the scientific review article. One of the pioneering (and enduring) publishing efforts - the Annual Reviews series - began in 1932 founded by a young Stanford professor who felt the lack of available systematic reviews of current research acutely when he agreed to give an advanced graduate course on current research in biochemistry (Luck, 1981).  Much later, recalling his motivation, he noted that “even in 1930 Chemical Abstracts published about 6500 abstracts of papers on biochemistry” (Luck, 1981).  Although initially focused on biology and chemistry, the Annual Reviews series has expanded to cover almost 50 subjects including the Annual Review of Fluid Mechanics and Annual Review of Earth and Planetary Sciences, both of which have been very influential in various aspects of earth sciences.  

A key development in our field was the inauguration of the Reviews of Geophysics by AGU in 1963.  For more than five decades the Reviews of Geophysics (in some periods under the name Reviews of Geophysics and Space Physics) has been the world’s highest profile journal specifically for review articles in the earth and planetary sciences.  It is a flagship of the AGU publishing enterprise and has by far the highest Thomson-Reuters “impact factor” of any AGU journal.  My own experience as a coauthor of a Reviews of Geophysics article 15 years ago has been quite gratifying – a quick check with Google Scholar reveals more than 1000 total citations for this article, more than 4 times that of any of the primary research articles I have published over the last 3 decades.   Writing a widely-read review article is a useful service to the community but it also comes with a reward of broad recognition for the authors.

We hope that PEPS will provide additional opportunity for scholars to publish very high quality review articles in any field of the earth and planetary sciences. As the leadership in science publishing spreads globally it is an exciting moment for JpGU to create a journal featuring review articles that aim to have the high impact of those in AGU’s Reviews of Geophysics.

As noted above, valuable contributions to the review literature can include articles with a variety of specific aims and in a corresponding variety of formats.  The typical article in Reviews of Geophysics or Annual Reviews of Earth and Planetary Science attempts a fairly comprehensive review of recent work in some topical subfield of earth science, and will have well in excess of 100 references and occupy ~30-60 pages.  In addition to such reviews there is a need for the more focused and briefer reviews, perhaps touching on a single controversial and quite specific question.  As I noted earlier, Nature and Science feature high profile articles of this type, generally ~5-8 pages in length.  Of course, many articles will fall between the extremes of the very focused “topical” and the longer “comprehensive” reviews.  One overriding requirement is that any review article should be conceived and written for a fairly wide potential readership, as the main purpose is to make the primary specialized research literature more accessible.

There seems not to be much of a published literature to guide the preparation of scientific review articles.  One very valuable document titled “How to Write a Scientific Review Paper” has been produced and posted on the web by “albertshaldar”.  This appears to be a set of instructions for students in a university biology course who were given a class project to write a draft review article, but the document is quite substantial and is useful for more than just an ephemeral class project. “albertshaldar” notes a review article should be “a creative synthesis of the literature… …beyond just reporting the results and conclusions of other studies, the review must integrate, interpret and expand these conclusions… the independent conclusions of separate investigations must be combined into a cohesive presentation. They must be contrasted and compared ….Can apparent conflicts be resolved through a new outlook or interpretation?.”  “albertshaldar” encourages potential authors to make sure they have a good grounding in the basic literature of a field as embodied in textbooks and monographs before they begin a compilation of the recent literature they propose to review.  The web posting by “albertshaldar” contains much information that will be useful for veteran professional scientists as well as students, including a guide to the precise use of often misused words. 

PEPS is already off to a good start in attracting and publishing high quality review articles. I hope many authors are inspired to write widely useful review articles and will consider PEPS as an appropriate high profile journal in which to publish.  Feel free to contact any editor if you want to discuss possible topics for such an article. 

References:

Luck, J. M., 1981: Confessions of a biochemist.  Annual Review of Biochemistry, 50, 1-23.  DOI:10.1146/annurev.bi.50.070181.000245.

Porter, J. R., 1964: The scientific journal – 300th anniversary. Bacteriological Reviews, 28, 3, 211-230.

Tsuda, T., 2014: Preface to the first volume of PEPS.  Progress in Earth and Planetary Science, 1, 1,  DOI:10.1186/2197-4284-1-1.

UKPA (UK Publishers Association), 2004: The origin of the scientific journal and the process of peer review.  Annex 1 to Publishers Association memorandum presented as written evidence for the Parliamentary Select Committee on Science and Technology in preparation of its Tenth Report. 

Prof. Kevin Hamilton, a member of Editorial Advisory Board, Editor of Atmospheric and Hydrospheric Sciences Section,  Retired professor and Director, International Pacific Research Center, University of Hawaii