「Progress in Earth and Planetary Science(PEPS)」は,日本地球惑星科学連合(JpGU)が2014年4月に出版を開始した「オープン・アクセス電子ジャーナル(Open Access e-journal)」です!!
ジャーナルの構成は,総論(レビュー),優秀論文(連合大会の発表の中からセッション長が推薦し,投稿可),一般投稿などですが,「地球惑星科学をリードする雑誌」を目指しています.この記事では,「忙しい毎日にPEPSを!!」と題し,高いIF(Impact Factor)と総論(レビュー)の重要性についてお話したいと思います.
皆様は毎日忙しく暮らされていることと思います.そこで,1年間に読める論文数には自ずと限界があることが容易に想像できます.ある統計によると,その数は年間200本程度と報告されています.「制約のある暮らしの中で有益な情報を得たい」,高いIFを持つ雑誌が重宝される理由がここにあります.
IFとは,ある雑誌の発行論文がどの位引用されたのかを示す数字で,この値が大きいほど掲載された一つの論文あたりの引用率が高いということになります.例えば,2015年(1~12月)と2016年(1~12月)の出版された論文について,総引用数を出版された総論文数で除したものが,2017年のIFとなります.ただし,IFはもともと雑誌の影響力を判断するために導入されたものであり,IFが高い雑誌に掲載された論文だからといって,すべての論文の引用率が高いわけではないので,注意が必要です.
PEPSは総論(レビュー)を重要視しています.これまでにPEPSで出版した論文のおよそ3分の1が総論で,いずれも多くの研究者からアクセスされています.総論では,
・地球惑星科学の知識・理論・概念などを整理し,新たな研究の鉱脈の提示,
・個々の論文だけでは理解しにくい,あるテーマの全体像の提示,
・「BOOK」から得られる情報より最新の体系的な知識の提供
が大切な項目です.質の高い総論では,数十から100以上の論文のエッセンスが系統的に説明されているので,1本の総論を読む事で,広範囲に最新の知識や考え方を得ることができます.すなわち,「忙しい毎日にPEPSを!!」ということになります.
2016年までは,総論(レビュー)については,無料で投稿いただけます.掲載された総論(レビュー)は,PEPSの日本語ハイライトページやfacebook,Twitterを通じて積極的に紹介していますので,大学のゼミなどでも広く活用していただければと思います.
PEPS 地球生命科学セクション編集長 / 東京大学 大気海洋研究所 川幡 穂高 |
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